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BIT.CALEIDOSCOPE

ただ「これ良かったよ!!」と言いたいだけのブログ。

岸本佐知子編「変愛小説集 日本作家編」 /吉田篤弘「電球交換士の憂鬱」感想

小説
変愛小説集 日本作家編
さすが編者:岸本佐知子
めちゃくちゃ私のツボにもくる奇妙な短編集ばかりで、大大大満足。
こういうフェチにあふれた自己の世界を文章にして、世に売りだしてくれて、そんな作品と出会えたことが嬉しい。
収録作は以下の通り、好きな作品は青字、どうしようもなくツボという作品は赤字。
自分の抱いた感情をより遥かに高度に言語化してくれた、岸本佐知子によるあとがきも引用。
 
川上弘美 形見 
最初の妻は、鼠由来。次の妻は、馬由来。そして三番めは、カンガルー由来だと、前に夫は教えてくれた。
箱に入っている形見は、どれも骨だ。
頚椎のすぐそばにあるというその小さな骨は、なぜだか由来の動物の頭蓋骨のかたちと相似になる。
死後、工場で身体を焼却粉砕する前に、希望すれば相似骨をもらえる。
死んではじめて、その人が何由来だったかがわかるのである。
編者あとがきより
大陸の位置すら今とは変わってしまうほどの遠い未来、人が生殖を経ずに〈工場〉で作られるようになった世界が舞台だ。
 夫婦も、親子も、兄弟も、あらゆる結びつきが今よりもずっと希薄になり、執着や激しい情念の存在しない水墨画のような世界は、ユートピアなのか、その逆なのか。
だが、どれほど命の形が変わってもなお人と人のあいだに淡く通う愛のようなものが、静かに胸を打つ
未来で語られる神話。
彼女たちがゆるやかに囁く、どこまでも遠くへ漕ぎだす神話は、たぶん今の私たちにとっても神話なんだろうなあ。
 
多和田葉子 韋駄天どこまでも 
たとえば「東」という文字がそこにあれば、字の中まではいじらないのが漢字に対する礼儀というものである。
ところが、てんちゃんは東田の「東」の字の口の中にまで手を突っ込んで、そこにある美味しそうな横棒をつかんで外へ引き出そうとする。
「駄目よ、駄目よ」と一子はあえいだ。
奪われたものをとりかえすために今度は一子が「てんちゃん」という可愛らしい渾名の裏に隠れた卑怯な十子の脚の交わったところに手をさしいれて、「十」の縦棒をつかんで揺らしながら引き寄せた。
すると、固くはまっていたはずの棒がはずれて、てんちゃんは「う」と言って身をそりかえした。
二人は、奪い、奪い合い、字体を変え、画数を変えながら、漢字だけが与えてくれる変な快楽を味わい尽くした。
文字そのものが生き物のようにうごめき、立ち上がり、実体化するスリリングな試みがなされている。
 人が字になり自が人になる性愛のシーンは、文学史上おそらく前例のない超絶的なもの
あんなにも分かり合い、求め合ったのにも関わらず、家族に連れられた十子は一子の元を去る。
同性の友達よりも家族を選ぶ、女性ならではの乾いた冷酷さは私にも見覚えがあるもので。

本谷有希子 藁の夫
彼の顔の、あらゆる覗き間から、ぽろぽろとあるものが吹き出し始めている。
藁の下で蠢いていたもの――それは、小さな楽器だった。
指でやっと摘めるほどの、小さな、たくさんの種類の楽器が、夫の身体から逃げ出すように溢れ出していく。
トランペット。トロンボーン。小太鼓。クラリネットチェンバロ……。
つるりとした平穏な日常に、ふとした瞬間に裂け目が生じ、その奥から見知らぬ不穏なものが顔をのぞかせる
ふとした事で幸福はボロを出すも、そのボロをうんざりしながら繕い直し、いつもの日常へ戻っていく姿に共感した。
恨みは種火となり、燻り続けるのが分かっていても、藁の夫が燃え上がるのは今ではない。
今ではなくても、「いつか」が必ず来ることを予感させる危うい日常にぞくぞくする。
 
村田沙耶香 トリプル 
圭太は今、人間ではない。私たちのあらゆる突起と体液を受け止める穴なのだ。
誠が舌を伸ばし、唾液を圭太の目頭へと流し込む。
私は足の指全てを圭太の口の中に押し込みながら、手の指で鼻の穴をいたぶる。
湿った粘膜が私の手足の指を同時に受け止める。
私たちはただ黙々と、圭太の穴という穴をいたぶり続けた。身体のあらゆる部分で、マウスを犯し続ける。
そうしているうちに、相手が圭太だということを忘れていき、自分の肉体の一部を埋め込むということだけに没頭していく。
指が入って行く。舌が入って行く。踵が。肘が。髪の毛が。
私の肉体の全てをその粘膜で吸い込みながら、マウスは抵抗せずに。ただ震え、体液に濡れながら耐え続けている。
性器を介さない新しい形の性愛を繰り返し描いてきた村田沙耶香
なんかすごいものを読んだ……という読後感がすごい。
違う種の交尾を目の当たりにすると、誰だって奇妙で奇天烈なものだと思う。
私達は犬の、猫の、蜂の、ヘビの、アザラシの、ゴリラの、チンパンジーの交尾を笑い、種が近くなればなるほど嫌悪感を覚える。
それと同じことが、親と子、友達と友達の間で起こるというのは一種のホラーとなり、自身の身体が心細く頼りないものに感じさせる。
 
吉田知子 ほくろ毛 
 
深堀 骨 逆毛のトメ 
碧い目と金髪の可愛い和製仏蘭西人形の筈が、首を回すと、人形浄瑠璃のガブみたように邪鬼の形相に転じ、同時に膣から螺旋状の針が飛び出す、素敵なからくり仕掛けなのだった。
その針がワインの栓を抜く為の、つまりはコルク抜きにされてしまったのだった。
深堀 骨は、十年ほど前に『アマチャ・ズルチャ  柴刈天神前風土記』という異様に面白い奇想短編集を一冊出したきり行方が知れず、もしや架空の人物だったのではと疑惑を抱いていた
幻想文学という視点で見れば、初めて澁澤龍彦や山尾優子の短篇に触れた時と同じぐらいのインパクトを受けた。
意味分からん小道具が、意味不明な展開を経て、なぜかちょっと感動する結末を迎えるという、大ッッッ好きな構造。
必ず読むから待ってろ、アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記
 
木下古栗 天使たちの野合 
高橋の顔が、思いきり息を吹き込まれた飴細工の風船のように急激に膨らみ始めた。
黄味を帯びた皮膚が、乳白色に剥かれた白眼が、断末魔の叫びのごとく大きく開かれた薄紅色の口とその奥でもつれた舌が、すべて半透明に薄まりながら伸びていき、みるまに世界一大きなカボチャを超えるほどに膨れ上がって、表面積が桁外れに広がって頭髪の一本一本もまばらになった頭頂部から破裂して、真空のような無音が弾けた。
その無音の膨張と入れ代わりにどこかに一瞬で吸い込まれてしまったのか、内部は完全に空っぽで、一切の骨肉や脳髄の飛散も見られず、伸びきって大破した飴細工のような、あるいは特殊なガラス細工のように淡い色味の半透明の、高橋の頭の抜け殻が、頭頂部から凄まじく放射状に裂け、外側に反り返って大きな花弁さながらに垂れている。
それらの花弁は冷えて固まった質感で、縁の部分は激しく千切られたように刺々しく、曲面は不均一に歪み波打ちながらも、ぎらついた艶めかしい光沢を鈍く放っている。
薄暗く黒ずみ始めた曇り空の不穏な色合いが、その半透明の花弁に映り込んでなお霞んで見える。
過剰に圧の高い文章の積み重ねがひたすら無意味を増幅させていく独自の作風
人体が膨れ上がって破裂し、奇妙な花めいたオブジェとなる。
ただそれだけの作品だが、絶対に見たことのない、そしてこれからも見ることはないであろう光景を、鮮烈に脳裏に灼きつけられてしまった。
責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。私だ。どうしてくれる。
 
安藤桃子 カウンターイルミネーション 
男達の無秩序な激動と地を踏みならす音、母親の祈りの超え、忘我の境地に陥った私の喘ぎと、赤子の母を求める嘆きの声。
呪術師が鋭利な石のナイフで赤子の心臓をひと突きした。
絶句する娘の頭にみるみる血がのぼり、眼の色が怒気によって深紅に変わる。
娘の怒りが頂点に達したとたん、仮面の男の一人がその首を勢いよく切り落とした。
吹き出る血潮を浴びながら、それを器に溜め、長を筆頭にその怒りに満ちた赤い液体を口にする男達。
いちど宇宙の暗黒の力とつながってしまった〈私〉の心は、麻薬のように闇との同化を渇望しつづける
前作同様、見たことのない景色を脳裏に打ち付けるタイプの小説だが、今作はその上、強烈に原始の匂いを放ちながら私の前に立ち塞がった。
噎せ返るような血はもちろん、首を木にくくられた男の網膜を焦がした太陽の殺人光さえ匂いがあり、性欲と直結する。
ただ前作と違うのは、行こうと思えばこういった部落の密林はまだこの世界の何処かに存在していると思える点だ。
そういったリアリティーが、どこまでもあの生と死が混在した匂いを、より一層深く濃いものにし続けるのだろう。
 
吉田篤弘 梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる 
小池昌代 男鹿 
星野智幸 クエルボ 
津島佑子 ニューヨーク、ニューヨーク 
 
ここに載せられた作者を追っていけば、当分読む本には困らなさそうだ。
自分と趣味の合う訳編者を見つけ出せると、幾らでも読みたいと思う本が表れてきてくれるな、感謝、感謝。
 
 
 

電球交換士の憂鬱 (文芸書)

上記の「椅子の上から世界は何度だって生まれ変わる」と設定を共通する作品。
不死身の電球交換士が電球を交換しつつ、バー〈ボヌール〉に集う人物たちとの交流を描いたハードボイルド風味な一冊。
吉田篤弘作品の中では結構好きな部類だ。
言葉遊びは程々にとどめ、ハートフルな交流に終始しているところが心地いい。
つむじ風食堂の夜」とか「それからはスープのことばかり考えて暮らした」あたりに通ずる空気間。
「電氣ホテル」とか「モナ・リザの背中」ほど趣味に走っていないところがいい。
特にラスト、<十文字ランプ>が<カンザキのランプ>から、西園寺の取り扱う<サイレント・ランプ>に替わるシーンにグッときた。
「うちがつくるランプの交換士になってほしいんです」
西園寺は自分の声に戻って、そう云った。
「神埼さんに代わって、僕があたらしい<十文字ランプ>をつくります」
神埼に不必要とされた十文字を、また新たに必要とする人物がいる。
捨てる神あれば拾う神あり、蘇生、再生。その優しさがじんわりと沁みる。
 
 

 

 

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真鍋昌平「闇金ウシジマくん」1巻〜5巻 / 山本英夫「殺し屋1」全10巻 を読んだらどっちもBLだった

漫画
GENERATIONS from EXILE TRIBEAGEHA」を「めっちゃ格好いいな!」と思って聞く
AGEHA

AGEHA

 加速する時代 駆け抜けて行こう We’re singin’ I GET HIGH!!

MVを見て「このイケイケ感、一番初めのウシジマくん映画みたいで怖い……」と思う


GENERATIONS from EXILE TRIBE / AGEHA

闇金ウシジマくん」を5巻まで読み返す
闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)

闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)

 

そういや「殺し屋1」っていう漫画に興味あったなあ、読んでみよう
殺し屋1(イチ)1

殺し屋1(イチ)1

 

という謎の連鎖によって山本英夫「殺し屋1」全10巻と、真鍋昌平闇金ウシジマくん」を5巻まで読んだ。

 

実写の方は劇場版2作とドラマseason2のみ視聴済。

闇金ウシジマくん Season2 DVD BOX

闇金ウシジマくん Season2 DVD BOX

 

よってほぼ全ての話に見覚えがあったが、好きな話はバイトくんとゲイくん編。
綺麗事が好きな甘ちゃんだと自分でも思うセレクト。
それでも山奥の現場で缶のお茶を手渡されるカットだとか、カウカウファイナンスのメンバーと債務者が同じ街で、同じ花火を見上げている事実だとかにじ〜〜んときてしまう。
実写版では、カウカウファイナンスの丑嶋、柄崎、高田3人揃った感が好きだったが、原作だと高田への萌えがヤバイ
ヤンキーくん編でマサル救出の際「大丈夫。大丈夫だから」と抱きしめ、あやし続けただけでも「えっ、こんな聖母じみたキャラだったの!?」と興奮したのに、その片として丑嶋に殴られたシーンで落ちた。

私「これチューしないほうがおかしくない?」
 
山本英夫「殺し屋1」全10巻

ヤクザ組織と殺し屋グループの抗争の中で出会う宿命の二人、自分の心の内に強烈なドS性を飼う気弱な殺人マシーン「イチ」と、イチに命を狙われている事に悦びを覚えるドMのヤクザの若頭「垣原」の対決を軸に描く。
これはもはや、ドSとドMの究極のSM半殺しラブストーリーだ!
イッちゃってる人達オンパレード!

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垣原が可愛すぎて困る。
垣原は痛みを脳で快楽に変換する頭のイカれた変態で、イチは自分の世界を強固に組み立て、それを他者にぶつける精神のイカれた変態。
二人共、気持ちいいからやめられない。
もう一種のAVを観ているような気分だった。女役はもちろん垣原で。
最終決戦は、どれだけ自分の世界を確立して相手を取り込むかの勝負であり、垣原は負けて命を落とした。
妄想が足りんわ!思い込みがたりんわ!
もっと自己主張せな、わたしの相手はつとまらんよ!
その勝負に勝ったイチも、1年後には新宿という街に侵食され、ごく普通の好青年となる。
そう考えると、瞬間風速で負けたと言えどあの街で暴力団をやり続けた垣原の方がイカレっぷりは上だったか。
『思い込む事が出来る』ということは、紛れもなく選ばれし者しか持てない才能だ。
だから垣原はイチに出会えて興奮したし、取り込んでみたいと思ったんだろうなあ。
うーん、やっぱりAVだしラブコメ(ただし垣原からの片想い)
 

吉野裕司「黒蝶のサイケデリカ オリジナルサウンドトラック」感想

サントラ

黒蝶のサイケデリカ オリジナルサウンドトラック

 
吉野裕司が音楽を担当した、ゲーム「黒蝶のサイケデリカ」のオリジナルサウンドトラックを聞いた。
本編の感想は以下の通り。

という訳で「傷 エンディング 狭間ver.」のためだけに購入したが、改めて音楽を聞いてみると、めちゃくちゃいい
前半は雨の館を舞台とした、無機質で冷気漂う雰囲気。
ああいった冷ややかさも好きなのに、「涙」や「決意」など、ストリングスとピアノで光を滲ませ感動させてくる楽曲もセットなのだから、たまらない。
時に硬く、時に淡く、煌めきゆらめいた幻想。
そんなものを確かに瞼に映しだしてくれる音楽だった。
本編自体はそこまでツボにハマらなかったが、この一枚と、島みやえい子の主題歌に引き合わせてくれただけで、プレイした価値はあったんだよなあ。
 
収録曲リスト。気に入った曲は青字、イントロからして泣ける曲は赤字。
1. 蝶の誘い
2. 雨の館
3. 疑惑
4. 記憶の扉
5. 事件
6. 疾走
7. 対決
8. 混濁の闇
9. 悲哀
10.
11. 決意
12. 紡がれる絆
13. 日常I
14. 日常II
15. 日常III
16. 回想I
17. 回想II
18. 館の主
19. はずむ心
20. 未来
21.
22. 未来 エンディング 希望ver.
23. 傷 エンディング 狭間ver.

なんとな〜〜〜〜くだが、「蝶の誘い」は「レイトン教授」シリーズの西浦 智仁、
「日常Ⅰ」は「ヨスガノソラ」のBruno Wen-li、
「館の主」は「少女革命ウテナ」の光宗 信吉を思い起こさせた。
そこらへんが好き、ストリングスとピアノとコーラスが大好物です!という方には、おすすめできるような。
 

 

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ポルノグラフィティ「LiAR」感想とか、石川智晶の新譜情報出たね!!Respect Meーーー!!!とか

音楽
聞いたCD2枚と、読んだ本1冊の感想。
 
ポルノグラフィティLiAR / 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ

LiAR / 真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ(通常盤)

LiAR:ラテン系ラブソング
LiAR

LiAR

Du Ra Pa Pa Pa Bairal  ここは楽園の入り口

真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ:アニソンちっくなロック+
Part time love affairR&B調浮気ソングと、いつもの安定感ありまくり3曲。
個人的にはいつものポルノの、平均点ちょっと下ぐらい。
既にリリースされている持ち歌を超えられていないというか、代替曲がすぐに浮かぶので。
LiARを聞くなら「ジョバイロ」、真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせを聞くなら「The Day」を聞く。
Part time love affair を聞くなら……宇多田ヒカルの「In My Room」あたり?
In My Room

In My Room

ただ LiARの「Du Ra Pa Pa Pa Bairal」とドラドラ腹に響くドラムは気に入っている。

 
 
石川智晶不完全燃焼 / スイッチが入ったら」

不完全燃焼/スイッチが入ったら

 without vocal のためだけに買い直した(see-saw「君は僕に似ている」以来、3ヶ月振り2回目)が、全く後悔してない。
不完全燃焼のサビ「ヒ ヒヒ」と間奏の低音「ブラークネェーーース」が主役にきている、それだけで価値がある。
スイッチが入ったらでも、がっつりWコーラスが入りまくっていて嬉しい。
というか!!!!!!それよりも!!!!!
2017年3月8日「スワンの夢が意味するものは」発売決定おめでとうございます!
スワンの夢が意味するものは

スワンの夢が意味するものは

 

<アルバム詳細>

罪深き美しい景色をすべて見せて欲しい。私は「石川智晶」を演じる石川智晶かもしれない。
舞台「Sin of Sleeping Snow」主題歌「雪が眠るとき」PIANO Ver. 名曲「Respect Me」リアレンジ収録 

……りすぺくと みー、りあれんじしゅうろく?
「Respect Me」リアレンジ収録!!!
うああああーーー!!やったあああああーーーー!!!
銀河機攻隊マジェスティックプリンス CD-BOX」のおかげで、iTunesでも買えるようになってるし試聴音源も挿入出来るし!
Respect Me

Respect Me

ありがとう、何というかもう全てにありがとう。
定価2500円の2枚組みだと、ボリューム的にはミニアルバムだろうか。
前回同様、きっとトレーラーが公開されると思うので、楽しみに待ちたい。
タイトルもツボだなぁ……小川洋子「おとぎ話の忘れ物」に出てきた小道具、スワンキャンディーを個人的には連想したり。

([お]8-1)おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫)

([お]8-1)おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫)

 

こちらは、スワンキャンディー<湖の雫>セットでございます。
容器はスワンの形をした陶器製。
膨らんだ翼の内側の、ここが蓋になっておりまして、小さな一枚の羽を引っ張りますと、ほらこのとおり。
スワンの中にキャンディーが。
杏、シナモン、薄荷、ジンジャー、ラムネ、蜂蜜、白バラ、柘榴、珊瑚、蚕、鱗粉、たてがみ、羊水…。
とにかくすべて、お好みの味が何でも揃っています。

 
吉田篤弘電氣ホテル

電氣ホテル

70ものキャラククター紹介に徹した本。
電氣ホテルが舞台ではないし、小説と呼ぶのも何か違う。
前衛劇のノベライズという言葉が正しいような。
新しいキャラが、登場しては引っ込み、登場しては引っ込み、舞台は回り続けて劇場、劇場。
暗転。投影。予告編もなく。
クラッチ・ノイズが爆ぜ、字幕翻訳者のクレジットがスクリーン下方にジリジリと滲みながら4秒ほど。
つづいて、タイトルが画面中央に。
夜の街に電飾が灯されるが如く。右から左へひと文字ずつ。
<電ー氣ーホーテール>と。
出てくる人物、起こる現象すべてが奇天烈で不可思議なものだから、着いていくだけで精一杯。
これで疲れるなという方が無理。
左手の厚みが心もとなくなるにつれ、「本当に終わるのか、これ!?」と不安がっていたら、まさかの2巻に続く。
唖然、呆然、それはない。
起承転結の起だけを書いていた本だったと、ラストでようやく分かる始末。
ただ所々、はっとするフレーズが散りばめられており、嫌いにはなりきれない子憎たらしさ。
停電の、それも夜中の大停電の恐ろしさを「身の毛がよだつ」の身の毛で体得している。
原始の闇の深さ。静寂。拠り所の無さ――等。
一方、ヒトの歴史は身の毛を剃り落とすことに終始。
自らを省みるときでさえ頭を丸め、毛深き猿に還ることなど思いもよらず。
とにもかくにも刊行を予告された『電氣ホテル 2幕』が出ない限り何とも言えず、人には全くもって薦めない。
 
 

 

 

足の下にある原風景 脱出アプリゲー「スライドプリンセス」ネタバレ感想

アプリゲーム
「スライドプリンセス」の画像検索結果

bloom mushroomによるアプリ脱出ゲー「スライドプリンセス」をプレイした。
クリアまでおよそ3時間。スタミナ制度などもなし。
世界観がとにかくツボ。
世界樹の迷宮シリーズ、特に初代の世界が好きな人には全力でおすすめ。
世界樹の迷宮(特典無し)

世界樹の迷宮(特典無し)

 

地下へと続く、23面のギミックに彩られたステージ。
背景と仕掛けそのもので、ストーリーを補完する手腕に痺れた。
ヒントがあるので謎解きにもイライラしないで済んだし、ビジュアルも文句無しに素晴らしい。

以下、ネタバレ感想とシークレット・ファイルについてのメモ。
 
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完結編で「これから頑張る」はない vita「シャリーのアトリエ Plus~黄昏の海の錬金術士~」+サントラ感想

ゲーム

シャリーのアトリエ Plus ~黄昏の海の錬金術士~ - PS Vita

 
黄昏シリーズ完結作。
一周目:シャリステラ、二周目:シャルロッテでプレイ時間36時間。
トロフィーは73%。これから取る気は全く無い。
個人的にはTOP of 微妙ゲーだった。
好きなところも、面白かったところもある。
ただそれ以上に「駄目だこりゃ」という結末と序盤から中盤にかけて無の時間が長すぎた。
無:良点:悪点の比率で言えば、5:3:2
燻り続けた種火が燃え上がろうとしたものの、水をぶっかけられて終わってしまうような惨めさ。
 
そもそもエンディング数が少ない!
シャリステラで2+シャルロッテでも2、トゥールENDで1の計5つ。
キャラ別ENDもなければ、女子会&男子会のエンドもない。
アーシャで9、エスロジで11はあったスチル付きエンドが半分に減っている。
ダブル主人公だと言うのに、一人につき2。
私が『黄昏』シリーズに求めているのは、左によるスチルとフィールド探索の楽しさだから、不満点が残る。
印象に残るフィールドも特になし。
「弐番館」とか「イグラシドル・花の小径」とか「隠された楽園」とか、アーシャが魅力的すぎた。

で、何より微妙なのはストーリー。
止まらない滅びである『黄昏』の原因も答えも提示されてはいたのに、主人公達は手を伸ばさなかった。
伸ばさせなかったのが、アーシャのアトリエに登場し味方陣であるはずのキースグリフという……。
続編もので前作のキャラを嫌いになってしまうのは、どうなんだろう。
1周目終った後には、キースのことが大嫌いになっていたので2周目も苦痛。
アーシャの時は好きだったのになあ……あとカトラも。
他キャラについて、エスカとロジーは相変わらずだし、ホムラは変わらずめちゃくちゃ可愛い。
ダメージを受けた時の「いたい」なんてね、可愛すぎる。
シャルロッテの師匠を頑張って努めようとする、ウィルベルへの好感度もかなり上がった。
新規キャラもおおむね好きだな、その店は流石アトリエシリーズ、外さない。
 
『黄昏』シリーズを通して、シャリーが1番を取れるのはやはり音楽か。
MARIA ORIGIN」と 
MARIA ORIGIN

MARIA ORIGIN

  • 阿知波大輔
  • サウンドトラック
  • ¥250

雲烟飛動」のためにサントラを購入したし、

雲烟飛動

雲烟飛動

  • 浅野隼人
  • サウンドトラック
  • ¥250

逃げ水の門」などもすごく良かった。

逃げ水の門

逃げ水の門

  • 柳川和樹
  • サウンドトラック
  • ¥250

ただボーカルアルバムに関しては、やはり私の中でエスロジが群を抜きすぎてる。

でもED映像は、今作のほうが感動した。
そりゃあ今までのキャラほぼ全員出されたら感動しないほうがおかしい。
だからこそ、ここまで映像で「完結です!」的な雰囲気を出すなら、ストーリーもそれに見合ったものにしてほしかった。
 
以下、ストーリーネタバレ+サントラ簡易感想。

偶然とは必然であり、 絶対運命でもある J.A.シーザー「わたし革命ファルサリア<<起源譜>>」感想

アルバム感想(アニソン系)

少女革命ウテナ/わたし革命ファルサリア<<起源譜>>

 
アニメ「少女革命ウテナ」に用いられた楽曲のうち、J.A.シーザーが編曲したものを集め、新たにリマスタリングしたアルバム。
収録内容は、以前発売されていた「天使創造すなわち光」&「体内時計都市オルロイ」と全く同じ。
2枚とも所持しているが、『2016年最新マスタリング、HQCDで音質も格段に向上』の一文に耐え切れず購入。
以前のものでは、ぼやけて遠くにあった音が、少なくともかなり近づいてきてくれた。
エレキギターの音もはっきりし、ドラムの存在感もちゃんと感じられる。
何より、やけに長引くアウトロを「何これ、つまんない」聞き飛ばさなくなったのが一番の収穫か。
「肉体の中の古生代」のラストで楽曲を覆う波音とか、背筋がゾクッとするほどの臨場感になった。
2016年2月地点における、J.A.シーザー氏のコメントが読めたのも大きな収穫。
絶対運命は天使を光に創造し、
バーチャル・スター的音楽を発生させ、肉体の中の古生代を呼び起こす。
そして天空高くスピラ・ミラビリス劇場を組み立て、
地球を人物陳列室としながら、
肉体星雲シュラを憧憬の天空に蘇らせ、
わたしを万物百不思議とした。
寓意・寓話・寓エストと唱えながら、
やがて、わたしを平俗宇宙の皇帝としてくれた。
同胞と信じている天然宮殿の遠近法は、人生の画法となり、
ワタシ空想生命体の体内こそ
 体内時計都市オルロイであると定めもした。
 
人生は偶然であるとされているが、偶然とは必然であり、
絶対運命でもあるということを演劇から教わったことで
少女革命ウテナ』との出会いは絶対運命であったと思っている。
タイトル名を繋げて綴られた文は定番と言えど、J.A.シーザー直々に語られるとやっぱりグッとくるな。
 
収録曲。好きな曲は青字、大好きな曲は赤字。
 
絶対運命黙示録  絶対運命黙示録  出生登録・洗礼名簿・死亡登録
2. 肉体の中の古生代 
肉体の中の古生代  生き続ける 死に続ける 語りかける古生代
連鎖ないわたし なのに繋げる力  天体よ  どうしてこの世にわたしがいるの
4. 架空過去型「禁厭」まじない  
はるか昔のわたしへ テン ツー ワン ゼロ! テイク・オフ!
5. 何人も語ることなし  
光って生まれ、光って消えた 生まれ消えたわたし星
6. 天使創造すなわち光  
快楽原則 ニルヴァーナ原則 死の必然性、すなわち光
7. スピラ・ミラビリス劇場  
ふたたび 生きる ために死ぬ スピラ ミラビリス  アーアー 驚異の渦巻
8. Wの予言 
記憶のおりの血の流れ  千年至福のゆりかごの わたしは俳優たとえて永久
9. ラスト・エヴォルーション(進化革命前夜)  
運命、選択、グッバイ論 わたしとあなたは天の河
10. 地球は人物陳列室 
無限に対の関係が 二枚の鏡の狭間で 増殖していゆく欲望の
11. バーチャルスター発生学  
さらなる円環無限に果てなき 一つの有機的な機関 一つの永久運動装置
12. アドゥレセンス黙示録 instrumental
13. わたし万物百不思議  
14. 寓意・寓話・寓エスト 
15. 平俗宇宙に不滅の皇帝  

キラキラ 夢想 ユラユラ 想像 カラカラ 空想 セラセラ 発想

17. 天然同胞宮殿遠近法の書 
18. ワタシ空想生命体  
19. 体内時計都市オルロイ
黄道わたしの十二宮 ゾディアック わたしゾディアック
20. 絶対運命黙示録 (Adolescence cover) 
 
とある作家が「貴方にとっての文学とは?」と質問され、「人生をどう生きるのか示してくれるもの」と答えていた。
その定義を使わせてもらうなら、間違いなくこのアルバムは私にとっての文学だった。
人生をどう捉えるかの、手引書。
特にマーカーで二重線でも引いておきたいのが、以下の2つ。
ただ、昨日という閉ざされた暗闇に
 ただ、今というほんの瞬間の閃光に 
 ただ、明日という光待つ暗闇に」(何人も語ることなし)
光とて、影つくり わたしをわたしと対にする
 孤独の発生、その理由 わたしをわたしと対にする」(地球は人物陳列室)
前者について、自己啓発本なんかで手垢の付きまくった表現だが、やはり人間には「今」しかないのだと強く思う。
昨日も明日も全部不明、不明、不明。
やるのなら今、やらないのなら今、楽しいのは今、苦痛なのは今。
全てのことは、今だけのことだと思うと、なんだかすごく楽だ。許されたような恍惚。
後者についても同様だ。
他者との距離などはもはやどうでもよすぎるほどどうでもよく、わたしがいて光があるかぎり常にわたしはふたりで、だから孤独。
私も常々「寂しさは厄介だ。誰といようと、どうしようもない」と思っていたが、その答えをビシッとJ.A.シーザーの言葉は指し示してくれていた。
J.A.シーザー少女革命ウテナ(もしくは幾原邦彦監督)との出会いが絶対運命ならば、私と「わたし革命ファルサリア<<起源譜>>」との邂逅も絶対運命であろう。
そのくらいの自惚れは許してほしい。

 

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